Google Cloud と AWS それぞれの特徴と比較について記載する。
Google Cloud と AWS の特徴
Google Cloud の特徴
- Google 製サービスとの連携が容易
- 例えば、 Google Analytics のデータを BigQuery にエキスポート出来たりする
- グローバルなサービス展開に強い
- 例えば、VPC などのネットワーク系サービスが全リージョン横断で構築出来たりする
- OSS ベースのマネージドサービスが豊富
- 代表的なところでいうと Kubernetes の GKE 、Apache Beam の Cloud Dataflow 、 Apache Spark/Hadoop の Cloud Dataproc など
- ビッグデータ分析・AI系のサービスが強い
AWS の特徴
- とにかくサービスの種類が多く、エンハンスも早い
- スクラッチの作り込みを避けたい場合、使えるものが多い
- パートナー制度( APN )により多様なサードパーティ製品と連携可能
- クラウドエンジニアが多い
- パブリッククラウドシェア 1 位で、コミュニティも多い
- 準拠法・裁判所は 日本法・東京地方裁判所を指定可能
- Google Cloud はいずれも米国
Google Cloud と AWS の比較
Google Cloud 視点で AWS と比較すると以下のようなものが挙げられる。(網羅性は無いので注意)
- IAM
- Cloud IAMはGoogleアカウントに対してプロジェクト毎にロールを割り当てる。(AWSのように管理者が独自のIAMアカウントを作って管理するわけではない)
- 階層になっているIAMだが、階層の下に対してポリシーを継承できるものの下でより強い権限にてポリシーを上書きすることができる。
- プロジェクトの概念
- AWSでは契約ごとに払い出されるアカウント払い出されるが、GCPではプロジェクトという単位になっており、いくつでも自由に作れる。
- プロジェクト単位で課金やIAMを分けられる。
- ネットワーク
- GCPではVPCを作ると初めからマルチリージョンで作られる / ゾーン(AZ相当)を跨ったサブネットが作れる。
- 外部IPアドレス(EIP相当)は、テンポラリーIPを昇格させることができる。また、グローバルに負荷分散できるIPも取得できる。
- データベース
- CloudSQL(RDS相当)にOracleはない。(Bare Metal Solution にある)
- API
- 各サービスを操作するAPIがあるのだが初期で有効になっているものはほとんどなく、ユーザが意図的に有効化しないとつかえない。
- ストレージ
- AWSのGlacierはデータを読み出す際に数時間かかるが、GCPのクラウドストレージのオプションであるColdLineやNearLineは同じようなサービスでありながら、通常のストレージと同じ速度で読み出しができる。
- LoadBalancer
- グローバル向けに HTTPロードバランサとSSLロードバランサとTCPロードバランサ、リージョン向けにネットワークロードバランサ(TCP/UDP/SSL) がある。
- 内部向けにはインターナルロードバランサがある。(HTTP(S)/TCP/UDP)
- グローバル向けの方はリバースプロキシサーバで、リージョン向け/内部向けはロードバランサ。
- GCPでグローバルIPを取得し、LBを前段におくとマルチリージョンでの負荷分散が行われる。
- 監視
- オペレーションスイート(旧Stackdriver)の有料のプレミアム階層では、AWSのリソースも同じダッシュボード上で監視ができる。
- オペレーションスイート(旧Stackdriver)アカウントに複数のGCPアカウントやAWSアカウントを紐付けることができる。
- リソースを個々のインスタンスではなく、「Webサーバグループ」などとまとめて監視することもできる。
Google Cloud と AWS のシェア
Synergy Research の 2022 年 2 月 3 日の発表 によると、AWS がシェア 33% で 1 位、Google Cloud で 9% で 3 位という結果だった。(ちなみに 2 位は Azure)
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